CRM・顧客管理
商談議事録のテンプレート ── 埋まるまで閉じない
商談議事録のテンプレートを配っても、3 か月後には半分が空欄になっている。よくある話です。原因は書く人の意識ではなく、書かなくても商談を次に進められることにあります。
「必須」を運用ルールではなく状態にする
「議事録は必ず書いてください」という運用ルールは、忙しくなった瞬間に守られなくなります。守らせたいなら、書かないと次に進めない状態にするしかありません。
Chaser では商談結果を 4 択(成約 / 次回商談 / 営業保留 / リスト復帰)にしたうえで、成約以外はテンプレートの必須項目が埋まるまで結果を確定できないようにしています。結果が確定しないと、次回商談も生まれません。
必須項目は、次を決めるために要るものだけ
ここで必須項目を増やしすぎると、今度は「とりあえず全部に『特になし』と入れる」ようになります。それでは書式が埋まっただけで、情報は増えていません。
必須にするのは、次のアクションを決めるために必要な項目に絞ります。実際に運用して残ったのは、だいたい次の 4 つでした。
| 項目 | なぜ必須か |
|---|---|
| 現状の課題 | 提案の前提。ここが空欄だと次回の準備ができない |
| 決裁者と決裁時期 | いつ決まるかが分からないと、追客の間隔が決められない |
| 見送りの理由 | 保留・復帰の判断材料。後で母集団を見直すときに効く |
| 次回のアクション | 誰が何をいつまでにやるか。空欄だと商談が止まる |
金額感や競合の状況は、任意項目で十分でした。必須にすると精度の低い数字が入り、かえって分析の邪魔になります。
テンプレートは、改定したら版を分ける
運用していると、テンプレートは必ず変わります。このとき問題になるのが、過去の議事録をどうするかです。
新しいテンプレートを過去分にも適用すると、以前の議事録に「未記入の必須項目」が突然発生します。すると担当者は、記憶で埋めることになります。当時の商談で確認していないことを、後から書き足すわけです。これは記録として価値がありません。
テンプレートをバージョン管理し、議事録は記入した時点の版のまま残すのが正解です。改定後に過去の議事録を開いても、当時の項目で表示されます。
録画は必須にしない
議事録とセットで語られがちなのが商談の録画ですが、これは必須にしないほうがうまくいきます。相手の同意が取れない場面があるためです。
代わりに、録画が無いことが分かる状態にします。未登録なら「録画なし」のバッジを付け、後からまとめて抽出できるようにする。必須にせず、可視化する。この使い分けは重複架電の防止で書いた「見せる・確認させる・止める」の考え方と同じです。
まとめ
- 議事録は運用ルールではなく、確定をブロックする状態で担保する
- 必須項目は次のアクションを決めるために要るものだけに絞る
- テンプレートは版で管理し、過去分は当時の版のまま残す
CRM・顧客管理では、この考え方を商談詳細の画面に実装しています。